本論文では、廃液中和のためのファジィ制御系の設計を行い、実機プラントの実験によってその有効性を確認した。本制御系の特徴は、ベテランのオペレータの行なっている制御行動を分析したうえで、現在のプラントの特性を示す滴定カーブの予測を行なうファジィ予測器と仮想目標pH値の決定を行なうファジィ仮想目標発生器を設計し、質の高い中和制御を実現できたことである。実機プラントによる実験の結果、ファジィ制御はPID制御に比べて単に応答性の面で優れているばかりでなく、中和剤消費量の低減や原水タンクの小型化の効果が期待できることがわかった。