抄録
あいまいさが介在するデータ観測モデルは, 近似的にファジィ観測モデルとみなすことができる.奥田らはファジィ観測データをファジィ事象と考え, 背後に確率分布を想定することで, これらのデータを有効に処理する手法について研究を行っている.奥田らのファジィ観測のモデルにおいては, ファジィデータの出現頻度に関する情報があり, それに基づいてメンバシップ関数を同定する場合, Zadeh のファジィ事象確率の定義による制約を満たしたメンバシップ関数を客観的に同定する必要があり, 通常のファジィモデルにおける主観によるメンバシップ関数の同定法は適用できない.本論文では, この問題に対し一つの手法を提案し, その有効性を示す.