日本ファジィ学会誌
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主観観測モデル理論に基づく感情表現(<特集論文>人文・社会科学へのファジィ理論の応用)
矢鳴 虎夫白浜 成希玉木 明和廣田 豊彦
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1993 年 5 巻 4 号 p. 745-760

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抄録

まず, 感情心理学の発達史について簡単に触れ, その中で特に、本研究に用いた混合感情に関する2つの理論を簡単に紹介する.そして, これらの混合感情に対応するイメージコード表の作成方法と, 入力される単語列(もしくは述語列)の影響によって感情変化を与える機構の実現方法について述べる. 次に, 主観観測モデル理論[10]のうち, 応用上特に本研究に関係する部分を説明する.そして, 同じ単語列でも「喚起される感情は主観に依存して変化する」ような機構と、それでいて「色々な主観を総合すれば客観的感情に落ち着く」ような機構を合わせもつ感情処理システム(数学的モデル)の構築方法について理論的に説明する。 最後に、数編の「詩」を入力信号としたとき、計算機シミュレーションによる感情処理システムから、どのような感情が喚起され、また主観とともにどのように推移していくか、など極めて興味ある結果を示しながら、このモデル理論の高い応用可能性について述べる。

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© 1993 日本知能情報ファジィ学会
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