抄録
ある対象を観測して得られた入出力データからその対象の構造を数学モデルとして同定することをモデリングという。しかし、経済システムや社会システムなどでは、人間が関与している場合が多いので、あいまいな現象を取り扱う必要性がある。本研究では、あいまいな現象のモデル化を行うため、新たなモデルの同定手法を提案した。本論文でのファジィモデリングの研究は、次の2つに要約できる。1)ファジィ集合を用いて、回帰分析とGMDH(Group Method of Data Handling)を可能性モデルから考察し、区間回帰分析、ファジィ回帰分析、およびファジィGMDHの定式化を行った。2)ファジィif-then型推論モデル、およびニューラルネットワークを用いたモデリング法を提案した。また、これらの定式化した手法を種々の応用問題に適用することによって、それぞれの有効性を検討した。