日本ファジィ学会誌
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ファジィ多目的行列ゲームにおける可能性と必然性に基づくmax-min解
乾口 雅弘西崎 一郎坂和 正敏村田 晋一
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1994 年 6 巻 2 号 p. 305-318

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抄録
本論文では, 可能性測度と必然性測度を用いてmax-min解が定義される.このmax-min解は, 西崎らのmax-min解の定義の拡張となっていることから, 拡張max-min解と呼ばれる.三角型ファジィ数をもつファジィ多目的行列ゲームにおけるmax-min解に対して, 西崎らにより計算方法が与えられていたが, 任意のL-Rファジィ数をもつファジィ多目的行列ゲームにおける拡張max-min解に対しても同様な方法で容易に求められることが示される.すなわち, 拡張max-min解も, 二分法とシンプレックス法により計算できることが明らかになる.ファジィ多目的行列ゲームにおける解のファジィ目標の達成状況を図示するためには, 純粋戦略の数と目標の数の積だけの図が必要になり, 大局的に達成状況を把握することが困難であった.そこで, 得られた解の各ファジィ目標の達成状況を大局的に把握する方法を提案する.この方法では, ファジィ目標の数だけの図により, 達成状況が把握できる.したがって, 意思決定者は意図した解が得られているか否かを容易に確認できる.最後に, 簡単な数値例が与えられる.
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© 1994 日本知能情報ファジィ学会
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