抄録
あいまいな情報を, ファジィ理論を用いて処理するファジィデータベースシステム(FDBS)が数多く提案されている.しかし従来のFDBSにおいては, 個々のユーザの主観的なあいまいさの相違については考慮されていなかった.一般にあいまいさは主観的な場合が多く, 個人によって異なっているのが普通である.このため, 従来のFDBSにおけるあいまいな情報処理では, 全てのユーザのあいまいさに対応していたわけではない.そこで, それぞれのユーザのあいまいさを表すメンバシップ関数を自動的にチューニングするFDBSを提案する.さらにこのシステムでは, 「若い」などの数値的尺度を持ったあいまいさだけでなく, 従来のFDBSでは扱うことが困難だった「美しい」「美味しい」などの, 数値的な尺度を持たないあいまいさをも処理することを可能とした.