抄録
本稿では人間の発想支援を目的として、ファジィ連想記憶システムにカオス的探索を応用したカオスファジィ連想記憶システムを提案する。そして、例題に対するシミュレーション結果から、本システムにおいて人間の発想支援のために必要となる次の2つの機能が実現可能であることを示す。(1)記憶させたパターンの中で入カパターンに近い範囲にある記憶パターンを動的に想起する機能(2)記憶させていないがルールとして有効である新たなパターンを想起する機能 さらに、発想支援として(1)の機能により、想起パターンがユーザーの意図に反する場合でも別の望ましいパターンをユーザーに提示することができること、また(2)の機能により、発想のヒントになるパターンをユーザーに提示できるためユーザーの発想時における負担を軽減することができることを考察する。