日本ファジィ学会誌
Online ISSN : 2432-9932
Print ISSN : 0915-647X
ISSN-L : 0915-647X
「言語表現された主観的程度の定量化に関する研究」
吉川 歩
著者情報
ジャーナル フリー

1995 年 7 巻 1 号 p. 94-

詳細
抄録
言語カテゴリーを用いた評定結果から心理尺度を構成する手法として系列範疇法が広く利用されている。本論文で提案するファジィ範疇法は、系列範疇法で扱えなかったカテゴリーおよび主観的程度の境界の不明瞭さをファジィ集合を通じて表現し、反復評定を課さずカテゴリーの心理尺度構成、刺激の心理尺度値を推定する手法である。4章ではファジィ理論に基づく評定判断過程のモデルを提案し、心理実験により妥当性を検証している。5章ではこのモデルをもとにファジィ範疇法を導出し、実験結果をもとに構成された心理尺度の水準を検証している。さらに6章では、ファジィ範疇法から得られる心理尺度値の精度を改善するために、カテゴリーの間(あいだ)の表現に3章で提案したBetween集合を利用すること、さらに複数の尺度図から得られた心理尺度値を合成する多重尺度図法を提案し、心理実験を通じてこれらの方法の有効性を検証している。
著者関連情報
© 1995 日本知能情報ファジィ学会
前の記事 次の記事
feedback
Top