抄録
地球における化石燃料の保存と自然環境の保全の重要性の要求から、自然エネルギーの開発が近年期待されている。最も期待されている自然エネルギーの一つは、風力エネルギーである。風力エネルギーシステムでは、発電機で発電される電力が最大となる最適動作点が存在する。さらに、風力エネルギーは時間と共に変化し、さらに希薄であるという特徴を有している。時々刻々変化する風力発電システムにおいて、最適動作点を探索して効率的にエネルギーを得るためには、最大電力点の追従制御が必要である。本論文は、発電機から効率的に最大電力を得るために、ファジィ制御を用いて風力発電システムの最大電力点の追従制御法を提案している。提案する制御法は、発電機の出力電力の情報を用いて最大電力点を推定し、メンバシップ関数はチョッパの通流率を出力電力に関して構成されている。複雑な計算や数学モデルを用いることなく、本制御法により最大電力点における風力発電システムの運転が可能になる。