日本ファジィ学会誌
Online ISSN : 2432-9932
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ファジィ推論を用いた運動評価支援システム
杉本 光公安信 誠二
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1996 年 8 巻 1 号 p. 89-94

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抄録
運動パフォーマンスは"その運動にかかわる動作を含む成果"であると定義されており, この運動パフォーマンスは二つの面から評価されている。一つは体力面からの評価で, 各体力要素(筋力, 筋持久力, 敏捷性, 平衡性, 瞬発力, 全身持久性等)を個々に測定し, その合計得点や標準化した合成変量で評価されている。もう一つは, 技術面からの評価で, スキルテストによって評価されている。しかし, 総合的な運動パフォーマンスは, それらの物理的指標を元に監督やコーチの経験則に従って評価されるというのが一般的である。人間の運動パフォーマンスを評価する上で, このような主観的判断に頼らなければならないのは, 運動パフォーマンスが人間本来に由来する曖昧さを内在しているという点と, また人間の運動が非常に複雑であるために, 厳密で意味のある記述が不可能であるという2点からである。本研究では, このような問題点を改善するために, 人間の運動パフォーマンスの評価に対して, ファジィ推論を用いた方法を提案する。ファジィ推論を用いることによって, 人間に内在する曖昧さを包含した形での評価が可能であり, また熟練指導者の経験則を用いて, 非線形な評価を再現性良く行うことが可能となった。
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© 1996 日本知能情報ファジィ学会
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