日本ファジィ学会誌
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間接法に基づくファジィニューラルネットワークの提案
堀川 慎一古橋 武内川 嘉樹
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1996 年 8 巻 1 号 p. 174-186

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抄録
ファジィ推論は、一般にその推論過程によって直接法と間接法の二つに大別される。両者の関係についてはこれまでに様々な考察が行われているが、その主張は数学的な検証のみに基づくものであり実用の立場からは全く議論されていない。著者らはこれまでに、ファジィ推論におけるファジィルールの同定や面パーシップ関数の調整をニューラルネットワークの学習機能により自動化した3種類のファジィニューラルネットワーク(Fuzzy Neural Network : FNN)を提案してきた。中でもType IIIと呼ぶFNNは間接法に基づいて構成され、本FNNの中では最も言語表現に近いファジィルールが獲得されることを特徴とする。しかし、Type IIIのファジィルールはその解釈に問題があった。本論分では、Type IIIを簡単化することにより同定されたファジィルールを明確に把握することのできる新しいFNNを提案する。このFNNをType IVと呼ぶ。またType IIIやType IVに比べファジィルールをより柔軟に表現可能なFNNを提案する。これをTypeVと呼ぶ。さらに、これらのFNNにより同定されたファジィルールを言語的に表記する手法について述べる。そして、簡単な数値例を用いたシミュレーションを行い、間接法によりわかりやすいファジィルールが同定できることを示す。
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© 1996 日本知能情報ファジィ学会
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