日本ファジィ学会誌
Online ISSN : 2432-9932
Print ISSN : 0915-647X
ISSN-L : 0915-647X
前提と結論の満たすべき関係から導出されるパラメータ化インプリケーション関数とそのチューニングについて
尾山 卓也田野 俊一
著者情報
ジャーナル フリー

1996 年 8 巻 2 号 p. 322-334

詳細
抄録
現在、ファジィ論理の分野には多種多様なインプリケーション関数が存在し、ファジィ推論の性質は、適用するインプリケーション関数よりさまざまに変化する。しかし実際の応用における、適切なインプリケーション関数の選択は非常に困難である。そこで筆者らは、パラメータの値によりさまざまな性質を持つことのできるパラメータ化インプリケーション関数を定義し、既存のパラメータチューニング手法を用いて実際の応用に適するパラメータを得ることで、その問題を軽減することを考えた。さらに、パラメータチューニングを用い適切なインプリケーション関数を選択することによって、ルールの性質を明確にすることができる。したがって、パラメータチューニングはIF-THENルールで表現された自然言語の意味の定量化とみなすことができる。本稿では、一つのパラメータ化インプリケーション関数を提案する。提案関数は、ファジィ推論における前提と結論の望ましい関係を満たすように定義されている。ここで、前提と結論の関係の表現には、インプリケーションの性質を表わすパラメータが用いられている。また、ファジィ推論システム開発環境FINESTのチューニング機能を用いたチューニングシミュレーションを示す。
著者関連情報
© 1996 日本知能情報ファジィ学会
前の記事 次の記事
feedback
Top