抄録
従来, 製品の信頼性を検討する場合, その信頼度を確定値として取り扱ってきたが, これを信頼区間として評価することは, 現実的なシステム信頼性の最適設計において要求されることである.他方, 確率的な探索法である遺伝的アルゴリズム(GA)が組合わせ最適化問題の有効な解放の一つとして注目されており, 最近, 故障モードを伴うシステム信頼性最適化問題にも適用されている.本論文では, 信頼度を信頼区間データとして評価するために, 区間係数を伴う非線形整数計画問題として定式化されるシステム信頼性設計の最適化問題を取り扱う.この問題を区間係数を伴わない2目的の非線形整数計画問題に変換して、非線形の目的関数を線形化することなく, すなわち非線形目的関数のまま, 改良GAによって解く方法を提案する.さらに, 数値実験によりシステム設計者の意思が信頼度を信頼区間データとして定量的に評価できるかを検討する.