1996 年 8 巻 4 号 p. 757-767
ファジィ規則の自動生成方法として, 野村らの提案した三角型メンバーシップ関数を用いたデルタルールによるファジィ推論の自動チューニング手法がある。この方法を用いると, 多入力の場合, チューニングの対象となる前件部のメンバーシップ関数のパラメータ数が多くなり, ファジィ規則表の形は崩れてしまい, ファジィ規則がわかりにくくなるという問題点がある。この点を解消するために, 本論文では, 前件部のメンバーシップ関数を入力変数ごとに設定することにより, 多入力の場合でも, 各入力次元でのメンバーシップ関数のパラメータ数が急増せずに, ファジィ規則表の形でチューニングできるという学習アルゴリズムを提案する。これにより, 汎用性を持って人間にわかりやすい形で表示できるファジィ規則表の自動生成を本学習アルゴリズムの下で構築できる。また, 幾つかの数値例によって, 従来法との比較・検討を行うと共に, 本手法の有効性を示す。