1996 年 8 巻 6 号 p. 1144-1153
本論文では, これまでの多目的0-1計画問題に対して, 問題の定式化に携わった専門家の人間としての判断をより適切に表現するために, パラメータのあいまい性がファジィ数として特性づけられるファジィパラメータを含む多目的0-1計画問題の定式化を行う.また, すべてのファジィパラメータのメンバシップ関数の帰属度がα以上となるパラメータ設定の中で, 特に意思決定者にとって最も望ましい設定が選択される非ファジィなα-多目的計画問題を定式化し, パレート最適解の概念を拡張したα-パレート最適解を導入する.しかも, 意思決定者が主観的に設定したあいまい性の度合いと基準点に拡張ミニマックスの意味で近いα-パレート最適解を, 2重構造文字列コード化遺伝的アルゴリズムの適用により効率的に求める.さらに, もし意思決定者が得られたα-パレート最適解に満足しなければ, 対話的に基準点やあいまい性の度合いを更新することによりα-パレート最適解の集合の中から意思決定者の満足解を導出するという対話型意思決定手法を提案する.最後に数値例により提案した手法の妥当性と有効性を示す.