日本消化管学会雑誌
Online ISSN : 2435-8967
Print ISSN : 2433-3840
総説
活動性潰瘍性大腸炎におけるサイトメガロウイルス感染症の診断と治療
―基礎ならびに臨床研究からの知見―
仲瀬 裕志
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2018 年 2 巻 1 号 p. 5-13

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抄録

ステロイドおよび免疫抑制剤投与に治療抵抗性の潰瘍性大腸炎(UC)患者における,サイトメガロウイルス(HCMV)感染の関与が注目されてきた.したがって,難治性UCに対するHCMV感染診断法を確立させることは重要な臨床課題である.われわれが知っておくべきことは,(a)ステロイドを含む2剤以上の免疫抑制剤使用に治療抵抗性を示す症例はHCMV感染リスクが高い,(b)治療の基本は,炎症制御によるHCMVの再活性化抑制である.したがって,抗ウイルス剤投与が必要な患者を見出す診断法を確立させることが今後の課題であり,内視鏡所見とmucosal PCR法による大腸粘膜組織中HCMV-DNA定量がその鍵を握っている.

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© 2018 一般社団法人日本消化管学会
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