日本消化管学会雑誌
Online ISSN : 2435-8967
Print ISSN : 2433-3840
総説
ボノプラザン登場により明らかとなってきた新たなGERDの病態と治療戦略
岩切 勝彦川見 典之星野 慎太朗
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2019 年 3 巻 1 号 p. 7-15

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抄録

2015年にpotassium-competitive acid blocker(P-CAB)であるボノプラザンが登場した.ボノプラザンの特徴は胃酸分泌抑制力の強さと早さである.ボノプラザンの強力な酸抑制は近年増加しているプロトンポンプ阻害薬(PPI)抵抗性逆流性食道炎に対する治療薬としての期待,胃食道逆流症(GERD)診断ツールとしてのPPIテストを上回るP-CABテストへの期待がある.また酸分泌抑制の速さに関しては,軽症逆流性食道炎やPPIに反応するNERDに対するon demand療法での維持療法への期待がある.いまだボノプラザンに関するデータは少ないが,ボノプラザン使用によって明らかとなってきたGERDの病態もあり,実臨床でのボノプラザンのGERD治療における成績および可能性について概説する.

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© 2019 一般社団法人日本消化管学会
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