2019 年 3 巻 1 号 p. 7-15
2015年にpotassium-competitive acid blocker(P-CAB)であるボノプラザンが登場した.ボノプラザンの特徴は胃酸分泌抑制力の強さと早さである.ボノプラザンの強力な酸抑制は近年増加しているプロトンポンプ阻害薬(PPI)抵抗性逆流性食道炎に対する治療薬としての期待,胃食道逆流症(GERD)診断ツールとしてのPPIテストを上回るP-CABテストへの期待がある.また酸分泌抑制の速さに関しては,軽症逆流性食道炎やPPIに反応するNERDに対するon demand療法での維持療法への期待がある.いまだボノプラザンに関するデータは少ないが,ボノプラザン使用によって明らかとなってきたGERDの病態もあり,実臨床でのボノプラザンのGERD治療における成績および可能性について概説する.