2017年に日本消化管学会は大腸憩室症ガイドラインを発刊したが,その過程で知見不足も明らかとなった.全国規模の知見構築を目的に発足した日本大腸憩室研究会は,25都府県49病院に急性血便のため入院した10342人の詳細情報を登録したCODE BLUE-J Studyを行った.その結果,出血源特定・止血術が可能な大腸内視鏡は急性血便診療のkey modalityであること,stigmata of recent hemorrhage(SRH)陽性大腸憩室出血に対する内視鏡止血術は保存的治療に比して早期・後期再出血を減少させること,バンド結紮法はクリップ法に比して早期・後期再出血・血管塞栓術移行・長期入院を抑制すること,SRHの種類・出血部位に応じてバンド結紮法とクリップ法の使い分けが許容されること,などの知見が示された.