日本消化管学会雑誌
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総説
直腸癌に対する経肛門的全直腸間膜切除(TaTME)手術
長谷川 寛塚田 祐一郎伊藤 雅昭
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2022 年 6 巻 1 号 p. 17-27

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抄録

内視鏡外科手術は大腸外科領域において広く普及しているが,直腸癌に対する腹腔鏡下手術は手術手技の難易度が高く,根治性に関して一定の懸念が指摘されている.近年,この課題解決を目指し,経肛門的に鏡視下でtotal mesorectal excision(TME)を逆行性に行うtransanal TME(TaTME)が世界的に注目されている.TaTMEは腫瘍学的根治性と機能温存の両面において,開腹手術や従来の腹腔鏡下手術を凌駕する可能性を秘めている.現在,腹腔鏡下手術とTaTMEのランダム化比較試験が実施されており,TaTMEの有用性が証明されることが期待される.

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© 2022 一般社団法人日本消化管学会
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