日本消化管学会雑誌
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Print ISSN : 2433-3840
総説
成人消化器科医に伝えたいmonogenic IBD
南部 隆亮
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2023 年 7 巻 1 号 p. 13-26

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抄録

Monogenic IBDとは,単一遺伝子の異常によりIBDを発症する疾患の総称である.近年遺伝子解析技術の発展にともない新規遺伝子が発見され,原因遺伝子の数は増加の一途を辿っている.低年齢発症(特に2歳以下発症),特異的な腸管外合併症,monogenic IBDや先天性免疫異常症の家族歴を有する例では,monogenic IBDを鑑別に挙げる必要がある.Monogenic IBDのほとんどが小児期にIBDを発症するため小児消化器科領域と思われがちだが,①小児科で遺伝子診断がなされて成人診療科に移行する例,②小児期に診断がつかなかった例,③成人期に発症するまれな例など,成人消化器科医が遭遇する機会は少なくなく,また今後その機会は増加することが予想される.本稿では,これまで明らかになってきたmonogenic IBDの特徴,診断,治療,そして求められる診療体制の在り方などについて概説する.

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© 2023 一般社団法人日本消化管学会
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