2023 年 7 巻 1 号 p. 27-32
【目的】COVID-19の流行がHelicobacter pylori除菌診療に影響を与えたかどうかを明らかにする.【方法】当科で除菌治療を行った患者を対象に,流行前の2019年と流行中の2020年における除菌者数,除菌率,未判定率,判定法を比較した.【結果】2019年の除菌者数は319例,2020年は190例で,2019年より減少した(P=0.003).2019年の未判定率は9.4%,2020年は16.8%で,2019年より増加し(P=0.005),便中抗原による判定は6.6%から29.1%に増加した(P=0.003).【結語】COVID-19の流行により除菌者数は減少し,未判定率は増加した.