地学雑誌
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表紙
南大洋での研究航海中に遭遇した氷山とクジラ
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2012 年 121 巻 3 号 p. Cover03_1-Cover03_2

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抄録

 南極前線帯付近の暴風圏(吠える40度,狂う50度,叫ぶ60度とも表現される)を超えてさらに南下すると,夏には比較的穏やかな南極の海が広がっている.寄港地を出港してからはまったく陸地を見ることがない南大洋での調査航海ではあるが,時々巨大な氷山に遭遇する.とくに,南大洋インド洋区ではリュツォ・ホルム湾やプリッツ湾の近くを航行する際に多くの氷山と出会った.時には,観測している間に数頭のクジラが船の周りに集まってくることもある.写真は,2頭のクジラが氷山を背景に悠然と回遊する様を撮影したものだ.南大洋では,豊富な栄養塩を利用した高い基礎生産を土台として,クジラを頂点とする豊かな生態系ピラミッドが保たれている.
(写真・解説 池原 実 2008年2月14日撮影)

© 2012 公益社団法人 東京地学協会
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