地学雑誌
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表紙
北縁から見たピナツボ火山の山頂クレーター
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2014 年 123 巻 5 号 p. Cover05_01-Cover05_02

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抄録

 フィリピン・ルソン島のピナツボ火山(標高 1486 m)は,マニラ首都圏から北西約 90 kmにあり,山頂部のクレーター(直径約 2.5 km)は,1991年6月15日の破局的な火砕流噴火によって出現した.現在は,北側斜面を流れるオドネル川に沿って山頂まで日帰りで行くことができる.写真は,そのルートの終点であるクレーター北縁から2006年4月に撮影したもので,左側の崖の背後にも湖は広がる.クレーター形成直後,内部に溶岩ドームが形成されたが,現在は湖水面下に没している.湖水は印象的なコバルトブルーであり,湖岸や湖底で温泉が湧出している.奥に見える岩体は,噴火前からあった溶岩ドームの残骸で,著しい破砕構造がみられる.手前の湖岸には人が写っている.これは,ガイドとともに訪れたツアー客であり,美しいクレーターレークを楽しんでいる.
(写真と説明:奥野 充・小林哲夫)

© 2014 公益社団法人 東京地学協会
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