2022 年 131 巻 5 号 p. Cover05_01-Cover05_02
中生代末からはじまったアルプス造山運動にともない,ヨーロッパ大陸内にいくつかの地溝とそれに付随した火山活動が発生した.それらの火山のなかには,第四紀に至っても細々と噴火を続けているものもある.そのひとつシェヌ・デ・ピュイ(Chaîne des Puys)火山群は,フランス第3の都市リヨンの西側に広がるフランス中央山塊内のリマーニュ(Limagne)地溝の西縁に沿って南北に分布する約100個のスコリア丘,マール,溶岩ドームの集合であり,その南端近くにある7000年前のパヴァン湖(Lac Pavin)マールの噴火が最新とされる.写真はパヴァン湖マールの南西に隣接するショヴェ湖(Le Lac Chauvet)マール(直径600 m, 水深73 m)であり,噴火年代はパヴァン湖よりやや古く,最終氷期末と考えられている.
(写真:©白尾元理;解説:小山真人)