地学雑誌
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8.1 電気探査による硫黄島の地下構造 (I)
川崎 逸郎
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1985 年 94 巻 6 号 p. 528-537

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抄録

以上を要約すると次のようになる。
(1) 第5, 6図のような模式地質断面図が得られた。これらの図は, 既に報告されている地質図と比べて調和的である。
(2) 現地踏査と地形図から第10図の断層網図を作成した (あえて航空写真を使用しなかった) 。本図から, 本島は (A) - (B) を境界として北半部は南東方向に, 南半部は北西方向に動いているという推測をたてた。
(3) 2回に亘る測定で最も注意したのは火山活動に関係ある比抵抗値の変化である。追跡調査の結果, 変化は予想したところに現われたといってよい。第9図を見ると比抵抗値の分布傾向に大きな変化は認められない。しかし, 比抵抗値の水平分布や垂直分布において, 0m付近の値が大きく変ったことは注目すべきである。このようなばあい, 引続き追跡調査を行うことが最良と考える。

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