2016年の熊本地震により生じた熊本市南区の一部における液状化被害調査を実施し,被害の概要を報告した。また,液状化による噴砂を採取し粒度試験を実施した結果,いずれも非塑性細粒分の含有率が35 %程度以下の砂であった。さらに,採取した噴砂を用い,豊浦砂と珪砂6号に関する既往の実験結果と比較する観点から,湿潤突固め法により作製した初期相対密度40 %の供試体を対象に非排水三軸試験を実施した。その結果,(1) 採取試料の液状化強度は豊浦砂より1.05~1.16倍程度高いが,軸ひずみや過剰間隙水圧の発生の仕方は豊浦砂と似通っていること,(2) 採取試料における液状化前後の強度低下率は概ね珪砂6号と同程度であること,(3) 液状化強度は,微小ひずみ領域におけるせん断剛性,ダイレタンシーの影響を含んだ大ひずみ領域における液状化前後の非排水せん断強度と良い相関があることを示した。