地盤工学ジャーナル
Online ISSN : 1880-6341
ISSN-L : 1880-6341
論文
疎水性地盤材料の作製方法とその遮水性能に関する研究
金 秉洙加藤 正司Seong-Wan Park竹下 祐二
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2019 年 14 巻 4 号 p. 343-352

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抄録

本研究では,土材料の疎水化方法の違いが遮水機能に与える影響について検討を行った。疎水化方法としてシラン処理及びコンクリート被覆養生材を利用した疎水化処理を用いた。処理した試料を用いて,接触角測定試験,水滴浸入時間試験,及び新たに考案した水浸入水頭試験の3種類の試験を行い,試料の疎水性の程度を評価した。そして,2種類の処理方法における処理溶液の混合率や希釈率を変化させて,それぞれの方法の特徴や作製に要する費用を検討し,より効率的な方法について調べた。得られた結果として,シラン試薬による処理は高い遮水機能が発揮されるが,作製費用も高くなることが示された。一方で,コンクリート被覆養生材による疎水化方法の場合,作製費用は抑えられるが遮水機能も低下することが判明した。以上の結果を総合的に評価すると,今回使用した薬剤を用いた場合,シラン試薬による処理の方がより効率的な作製方法であると判断される。

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© 2019, 公益社団法人 地盤工学会
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