2025 年 20 巻 1 号 p. 81-89
セメント系固化材を用いた地盤改良工事では,現場の改良土から採取したボーリングコアの一軸圧縮強さによって品質管理がなされるが,固化材と対象土の混合が不十分であること等を理由に,採取箇所によってその強さにばらつきが生じることがある。本研究では,固化材の分布状況が異なる改良土を対象に,X 線CT を用いて固化材の偏在ならびに載荷時の破壊挙動を観察すると共に,改良土の不均質性が強度に与える影響を定量的に評価することを試みた。その結果,水平方向に分割した領域におけるグレイバリューを高さ方向に整理することで,固化材の偏在や固化材添加量の違いを検出でき,定量的に改良土の不均質性を評価できる可能性を示した。また,配合上の添加量から解析により得た固化材凝集量を差し引いた固化材量と強度には一定の相関があることを確認した。