京都府山城地区に位置する城陽市・八幡市にある24個の水源揚水井を対象として,その不規則な時間劣化を記述する確率モデルを用いることにより,揚水井健全度の確率分布を理論的に推定する。まず,健全度の実データの挙動から,城陽市と八幡市にエリアを分割し,健全度の平均的劣化が両エリアともに指数関数的であることを確認し,著者らの先行研究と同様に健全度の対数劣化率がGauss型白色雑音で乱されるとした不規則劣化を記述する確率モデルを構成する。最後に,両エリアそれぞれの健全度の実データのばらつきの時間変動が,提案モデルから導かれる健全度の確率分布によりうまく再現できることを示す。さらに,城陽市エリアと比較して八幡市エリアの揚水井の方が平均的劣化が速く進行していることを明らかとし,その地質特性との関係について考察を与える。