2026 年 21 巻 2 号 p. 161-172
小規模な斜面崩落後の測量について,高価な測量機器や専門的な技術を用いず,かつ斜面に立ち入らずに安全に計測する手法は未だ確立されていない。本研究では,スマートフォンと撮影用の長尺のロッドとを用いて,安全な道路面上から谷側の小規模崩落斜面を面的に計測できる手法を提案し,その適用可能性と精度向上に資する改善点を明らかにした。仮想の崩落斜面に対する三次元モデルの生成と精度検証を通じて,(1) スマートフォンを取り付けたロッドを鉛直に支持する撮影と手持ちの撮影とを組み合わせる計測手法の頑健性,(2) 誤差の確認や手動修正が容易となる対空標識等の地物や,座標軸ごとにスケールを与える基準点や基準尺,鉛直軸を補正する標尺を設置する精度の改善方法を示した。さらに,この方法の一部を結果に適用して誤差の低減効果を確認し,8件の計測中の5件で目標精度を達成することができた。