2008 年 3 巻 1 号 p. 13-23
空港アスファルト舗装の層間剥離探査方法として,打音調査が一般的である現状に対して,調査効率の大幅な向上および調査結果の客観性確保を目指して,連続式赤外線撮影による層間剥離の探査を試みた。実際の空港滑走路を対象に赤外線撮影を行い,舗装表面の熱画像を取得した。その結果,打音調査で層間剥離と推定された箇所あるいはその近傍に,斑点状に表面温度が低下している箇所が熱画像に認められた。さらに層間剥離を考慮した空港アスファルト舗装の熱伝導解析を実施し,熱画像から得られた表面温度データとの比較を行ったところ,斑点状に温度が低下している箇所は,内部に層間剥離が存在している可能性が高いことが明らかになり,連続式赤外線撮影による層間剥離探査の有望性が確認できた。