実大三次元震動破壊実験施設を用いて,これまでにない規模の大型の矢板護岸とその背後地盤に杭基礎構造物を有する地盤模型を作製し,矢板護岸の大変位と杭基礎の破壊に関するメカニズムを解明することを目的として、液状化に伴う側方流動実験を行った。結果として,(1)液状化に伴う側方流動による矢板護岸の傾斜・水平の変形を再現でき,背後地盤の杭基礎を破壊させることができた,(2)護岸矢板の側方流動被害を軽減するためには,矢板の水側前面地盤の液状化を防止して受働抵抗力を保持することが効果的であることを実験結果は示唆している,(3)側方流動に伴う杭基礎の破壊のメカニズムとして,杭の破壊が構造物の変位となって現れるのは,矢板側と背後地盤側の両方の杭が破壊した時である,ことがわかった。