我が国では現在,2011年3月11日の東日本大震災によって発生した膨大量の災害廃棄物に対する適切な処理マネジメントが求められている。現状では,具体的な処理はまだ十分に行われておらず,迅速な復旧・復興に向けて,廃棄物処理に対する指針を提示する必要がある。本研究では,東日本大震災で発生した津波堆積物および津波堆積土砂の処理に関する環境影響を定量化し,環境影響を定量化したものを環境影響度として定義した。さらに,時間スケールを組み込むことで,環境経済と時間軸から適切な処理フローを検討している。結果として,廃棄物の広域的な処理・再利用の推進は,環境影響ならびに時間の総合的な観点から重要であることを示した。