地盤工学ジャーナル
Online ISSN : 1880-6341
ISSN-L : 1880-6341
論文
東北地方太平洋沖地震で複合災害を受けた河川堤防の被災要因分析
原 忠Hemanta Hazarika黒田 修一栗林 健太郎西 剛整古市 秀雄竹澤 請一郎大角 恒雄
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2014 年 9 巻 4 号 p. 645-658

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抄録

2011年東北地方太平洋沖地震では,強い揺れやその後の津波で海岸平野部の海岸保全施設の多くが損傷したが,河川堤防や盛土は地形や構造の違いにより被災形態が異なっていた。本研究では,局部破堤した岩手県大船渡市吉浜堤防を対象に複数の現地調査と室内土質試験,数値解析を行い,液状化と津波の複合災害を受けた河川堤防の被災要因を分析した。地盤調査および室内土質試験結果から,換算N値の小さい堤体土は液状化が生じる可能性が大きいことが明らかになった。さらに,強い揺れや余震,津波外力が加わる場合の堤体の安定性を数値解析により再現した結果,液状化や液状化後の過剰間隙水圧の消散,越流を伴う津波外力が堤防機能の喪失,破堤に大きく影響することが分かった。

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© 2014 公益社団法人 地盤工学会
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