日本老年療法学会誌
Online ISSN : 2436-908X
短報
トイレへの移動支援を目的としたマークの設置が奏功しなかった認知症の一例
―マーク設置における評価の視点を検討―
月井 直哉 川端 敦史菅野 美加子
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2025 年 4 巻 論文ID: 2024_001_BR

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抄録

89歳女性の認知症入居者へのトイレまでの移動支援を通じ,マーク設置時の評価の視点を検討した。居室間の廊下にマークと矢印を設置し,移動状況を日中観察した。結果,共用トイレに1度も移動できず,他の居室に入ろうとする行動が見られた。マークの認識や意味の理解は可能だったが,居室間に設置された矢印の指す先をトイレと誤解した可能性があったため,より包括的な認知機能評価と効果的な対策の重要性が示唆された。

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© 2025 一般社団法人 日本老年療法学会
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