2006 年 2 巻 1 号 p. 23-28
今回,仏教社会福祉実践者3名に対して聞き取り調査を実施し,社会福祉実践と仏教思想の共通性について把握し,対人援助の実践を深めていくための方法について検討を行った。結果,仏教思想のキーワードとして,「忘己利他」「無財の七施」「報恩感謝」などがあげられ,社会福祉実践との共通性では,援助者の自己の在り方,他者の捉え方,両者の係わりについて以下の結論を得ることができた。
1. 社会福祉実践者と当事者の関係は,自己中心的に判断するのではなく相手のおかれている状況を出発点として,対等なパートナーとして課題解決に向かう必要がある。
2. 援助者の一方的な判断でサービスを押しつけるのではなく,当事者の内面にある可能性を引き出していく姿勢が必要である。
3. 社会福祉実践は,援助者と当事者の相互作用や関係の中でお互いが「生かされている」相対的な存在である。そして援助者が心身ともに健康であることが,当事者との相互作用を発展させお互いに健康や喜びを分かちあうことにつながる。