医療看護研究
Online ISSN : 2758-5123
Print ISSN : 1349-8630
研究報告
先天性横隔膜ヘルニア患児の周術期看護の検討
江藤 千里萩本 理恵子栗原 亜希子西田 みゆき
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2010 年 6 巻 1 号 p. 37-43

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抄録

本研究は,先天性横隔膜ヘルニアの看護実践内容を明らかにすることを目的とし,4つの視点(呼吸循環管理,環境調整,ファミリーケア,皮膚ケア)別に看護師へのインタビューと看護記録内容を分析した。結果として以下のことが看護実践内容として抽出された。呼吸循環管理:モニター数値の微細な変化の観察と対応,人工呼吸器・点滴の確実な管理,気管閉塞の防止,胃・腸管内への空気流入の防止,ケアによる呼吸循環変調の防止,体温変動の防止,気管内挿管チューブ計画外抜管の防止。環境調整:日周リズムをつけ観察の見落としがない光環境調整,児への刺激となる騒音を減らした音環境調整,児の様子・モニターの監視とプライバシーの保護の確保。ファミリーケア:出生前からの看護介入,家族の気持ちに配慮し親子の愛着形成を意識した関わり。皮膚ケア:褥創予防,皮膚の観察・体位変換による呼吸循環変調の把握,皮膚・シーツの汚染の程度と児の状態変化に合わせた清潔保持。そして,看護師が患児の状態変化を感じ取り,不要な刺激を避けるケアを行い,児と家族の発達をサポートしていくことが大切であることが明確になった。

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© 2010 順天堂大学医療看護学部
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