日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
第49回日本家庭科教育学会大会
セッションID: P-8
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第49回大会 ポスター発表
生徒・学生の食事に対するイメージ
*矢野 由起
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キーワード: イメージ, 家庭科教育, 食事
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抄録

【目的】
 食生活は多様化・簡便化・外部化の傾向にあり、調理済み食品・持ち帰り食品やファーストフードを利用する機会も増え、栄養摂取の偏りや生活習慣病の低年齢化の傾向がみられるようになっている。このような食生活環境の中で生涯にわたって健康的な生活を送っていくためには、まず栄養のバランスを考えて適切に食物を選択し摂取できる力が必要である。そして自分の食生活を絶えず点検・評価しながら、自分の年齢やライフスタイルに応じて、自分の食生活を修正・改善していく力が必要となる。
 日常生活場面を考えると、食品を購入する場面においては、食品に含まれている栄養素の種類・量や安全性をすべて把握し比較検討した上で食品を選択・購入しているわけではなく、体によい食品、カルシウムが多い食品、健康的な食品などのような食品イメージによって食品の選択・購入が行われていると考えられる。食事を点検・評価する場面においても同様で、並べられた料理をみたときに、何が不足で何が過剰であるかを大まかに判断できる力が重要で、栄養のバランスがとれている・とれていない食事、体によい・悪い食事などのイメージをもてることがまず第一歩である。
 食品や料理のイメージ調査は多くみられるが、一食分の食事に対するイメージを調査したものはみられない。そこで本研究では、食事をみて栄養のバランスを評価できる力をイメージから捉えることを試みた。
【方法】
 調査は、公立中学校3年生150人、公立高等学校210人、大学生126人の計486人を対象に、2003年10月から11月にかけて質問紙法により行われた。質問紙の配布・回収は家庭科担当教員により行われ、回収率は100%、有効回収率は95.1%であった。
 調査対象となる食事は、中学校・高等学校家庭科教科書や料理書から食材や料理様式が偏らないように料理を抽出し、さらにその中から一般的で中学生にとって身近な料理を選び、8つの食事を構成した。食事に対するイメージは「嗜好」「栄養性」「健康性」「手作り度」「摂食度」の面から評価した。8食事に対するイメージを5段階評定尺度法により測定し、学校段階別にイメージ評定値を算出した。
【結果】
 食事の「嗜好性」イメージの評定値はすべて3.5以上で、中・高・大学生とも8食事を「好き」と評価していた。最も「好き」と評価された食事は、中・高校生では食事1(カレーライス)、大学生では食事5(焼き肉)であった。「栄養バランスがよい」イメージの食事は、中・高・大学生とも食事3(焼き魚他)食事6(トースト他)食事1(カレーライス)で、最も「栄養バランスがよい」イメージの食事は3(焼き魚他)であった。「栄養バランスが悪い」イメージの食事は、中・高・大学生とも食事4(フライドチキン)食事2(ラーメン)食事7(ハンバーガー)食事5(焼き肉)で、最も「栄養バランスが悪い」イメージの食事は4(フライドチキン)であった。和食であることが「栄養バランスがよい」という評価につながっていた。「手作り」とイメージされたのは、中・高・大学生とも食事3(焼き魚他)食事1(カレーライス)食事6(トースト他)食事8(おにぎり)で、手作りの食事は栄養バランスがよいというイメージをもっていた。
 「健康性」イメージと「栄養性」「手作り度」イメージとの間には関連がみられ、栄養のバランスがよいものや手作りのものを体によいとしていた。一方、「健康性」イメージと「嗜好性」「摂食度」イメージとの間には関連はみられず、体によいものを好んだりよく食べるようにしている傾向はみられなかった。
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© 2006 日本家庭科教育学会
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