家政学雑誌
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螢光ランプによる色の演色性について (第3報)
中野 みち〓
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1960 年 10 巻 4 号 p. 233-239

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抄録

試料によって得られた5種の人工光源の演色性はC光源を標準として、心理的な面からいえば試料の色度の変化は一般にいって背景による影響は少ない。しいていえば彩度、明度の変化が多少認められた。特に暗色同志の組み合せの場合には全体に明度、彩度が低くなっていたことと、試料と背景のコンストラストがはっきりした場合には多少色相に変化があったことである。また背景別による色の変化はあまり認められない。この場合の条件として前回と同じ視標の大きさにしたのでここに影響があったのではないかと思われる。
明視距離の関係から黄斑部にうつる像が大きかったので次の実験では像の大きさを黄斑部の中心窩で視覚にして約9°~10°の範囲になるように工夫して視標の大きさを適当にきめれば背景による影響も認められるのでないかと思われる。今後はその点を重視して被服デザインに応用する問題を考えたい。

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