家政学雑誌
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被服材料の通気性について
名倉 光雄
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1960 年 10 巻 4 号 p. 255-260

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抄録

(1) ガスメーターを利用して織物の通気度を測定する場合、減圧が異なると開孔度と通気度が比例しない部分が出来る。
(2) 開孔度が同じ場合は厚さが大なる程通気度が小さく、その減少率は厚さが大なる程小さい。厚さが同じで開孔度の異なる場合は、略その開孔度に比例して通気度が増加するが、その増加率は厚さにより異なり、厚さが大なる程小さい。
(3) 通気度の良いナイロンシャーによっても、空気の流動は約13%に減少した。
(4) 防寒用織物は含気量が大きく通気度が小さい。防暑用織物は含気量・通気度が共に大きい。一般用織物は含気量・適気度が共に中以下のものが多い。
(5) 二枚以上の織物が重なる場合の通気度は、それが互に接触している場合よりも僅か間強のある場合の方が大きく、被服は重ね着の場合ゆとりのある方が保温的であり、保健的であるといえる。
(6) 二枚重ねた織物の通気度は間隙が約2~3mmの場合が最大であった。

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