家政学雑誌
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衣生活設計に関する研究
主婦の被服所持数について
岩橋 節子岩橋 すみ子
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1962 年 13 巻 3 号 p. 200-207

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抄録

昭和35年7月上旬に、大阪府下12地域の家庭主婦及び婦人団体所属の主婦について、その被服所持数の調査を行った。結果は次の通りである。
A.被服所持人数
1.所持されている被服の種類は47種であったが.被検者の80%以上が持っている被服は、和服外衣4種、内衣4種、洋服外衣4種、内衣3種、作業衣2種とねまきの計18種であった。
2.地域によって所持人数(%)に差の少い被服は、和服では長着、羽織、長襦袢、肌襦袢.洋服ではワンピース、ブラウス、スカート、作業衣ではエプロン及びねまきの9種であった。
農業地域に多く都市に少い被服は、事務服と作業衣(スモックを除く)で、都市に多く農業地域に少いのは、洋服コート類、レインコート、洋服用ペティコート、ブラジャー、ガーターで、殊にブラジャー、ガーターは農業地域に少い。
3.洋服の普及は目ざましく、夏季には被検者の99%が、冬、合には81%が洋服をもっている。
B.被服所持枚数
1.主婦1人当りの平均被服所持枚数は173枚で、その内訳は日常着、外出着の内外衣合計152枚、作業衣17枚、ねまき4枚であった。
2.各被服の所持枚数には個人差が大きい。
3.外衣枚数のうち洋服の枚数は、都市においては和服枚数と同数あるいは、より多くなっている。
4.外衣の季節別所持数は、和服は冬が多く、洋服は夏が多い。
5.外衣のうち外出着の占める割合は大きく、殊に和服では日常着よりも外出着の方が多い。
C.式服
1.喪服をもっている人は、祝の式服をもっている人よりも多く、被検者の86%であった。
2.式服には殆ど和服が用いられている。
D.日常着の調製
1.日常着は主として外出着の古いものが使用されている。
2.新調する場合は、自分で縫うか、他人に縫ってもらうかで、この両者はほぼ同じ位である。既製品の利用は少い。

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