家政学雑誌
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洗濯における着皺性とアイロン仕上げに要するエネルギー代謝について
西村 久子吉川 せつ
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1963 年 14 巻 2 号 p. 122-127

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抄録
家庭洗濯の諸条件の中その作業労度の問題からなるべく着皺の少いということも重要な条件と考え洗い方、脱水方法、乾燥方法からその問題を追求し又その関連としてアイロンかけの研究もあわせて行った。その結果を要約すると次の様である。
1. 着皺と関連のあると考えた収縮率の測定において洗い方では手もみ洗いとジェット式洗濯機洗い、脱水法では手技のねじりしぼり、乾燥法ではドライヤー乾燥が最も大であった。
2. 収縮率の少いのははけ洗い、無しぼり又はローラーしぼり、ドリップ式自然乾燥である。
3. 着皺度の測定は数人の実験者の観察又は写真観察、分光光度計による透過率測定等を行ってみた、しかしこれを数量化してあらわすことが出来なかった。
4. 着皺量によって分けたA、B、C、D、Eのgradeの試布にアイロンかけを行ったがこれに要したO2需要量やR.M.R.が大体着皺量のgradeに一致した。
5. アイロンの重さを比較した時所要時間や作業強度から重い方が有利となった。しかしこれはもう少し検討を要する。
6. アイロン台の高さは短時間ならぼやや低い方が有利だがやはり身長の45~46%程度が無理がなく長時間続けるのに有利である。
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