1966 年 17 巻 4 号 p. 213-217
市販の大豆もやしを試料として呈味成分の検討を行なった。その結果を要約すると次の如くである。
1. 核酸関連物質として、アデニン、アデノシン、イノシン、ヒポキサンチン、シチジル酸、アデニル酸、ウリジル酸が含有されている。しかしイノシン酸、グアニル酸は含有されない。
2. 有機酸として、コハク酸、乳酸、グリココール酸、リンゴ酸、クエン酸、未知酸1つの存在を認めたが、有機酸蚤は極めて少量である。
3. アミノ酸類はフェニールアラニン、アラニン、バリン、アスパラギン酸、アルギニン、ヒスチジン、リジン、ロイシンを確認した。又、グルタミン酸は僅かに含有される。
4. 甘味物質として、麦芽糖及びブドー糖が含有される。
5. もやしの旨味成分の主体は、アミノ酸類であり、その緩衡能も大であり、又、麦芽糖、ブドー糖の甘味ももやしの呈味性に寄与している。