家政学雑誌
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各種食品中の呈味成分に関する研究 (第14報)
くこ葉茶の呈味成分について
吉村 洋子武 恒子大塚 一止
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1969 年 20 巻 7 号 p. 481-484

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抄録
くこ葉茶の呈味成分に関する試験結果を要約すると次のごとくである。
1. 核酸関連物質としてイノシン、ヒポキサンチン、シチジル酸、ウリジル酸が含有されているが、くこ葉茶のうま味の主成分ではない。
2. 有機酸類としてコハク酸、ピログルタミソ酸、蓚酸、グリコール酸、リンゴ酸、クエン酸がごく少量存在しており、コハク酸はくこ葉茶のうま味にやや寄与しているものと推定されるが、主体をなすものではない。
3. 糖類はグルコース、マルトース、フラクトース、ラフィノース、シュークロース等を含有しているが、いずれもごく少量で呈味性を決定するものではない。
4.アミノ酸類はグルタミン酸、プロリン、アスパラギン酸、ゼリン、チロシン等17種類が含有されており、また緩衝能の寄与率もきわめて大で、くこ葉茶の呈味主成分である。
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