家政学雑誌
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イモの調理に関する基礎的研究 (第 1 報)
デンプンの糊化に対する加熱中断の影響について
鈴木 綾子堀越 フサエ檜作 進
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1971 年 22 巻 3 号 p. 169-173

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抄録

ゴリイモが出来る原因の一つとして、デンプンの老化、糊化が関係していると考えられることから、調理に関連して種々の条件下におけるジャガイモ中のデンプンの糊化度の変化を検討した結果、次のようなことが観察された。
1) イモの調理の際、加熱温度が60℃以下では、加熱時間を長くしても十分糊化されない。
2) 加熱温度のちがいによって、加熱を中断した時の老化の速度がことなり、加熱温度が60℃付近のイモのデンプンの糊化度の減少がもっとも大きく、老化がすすみやすい。十分糊化したイモほど老化がおそい。
3) 試料を60℃~70℃に加熱して糊化が不完全な状態で加熱を中断し、40℃以下に冷却すると、更に100℃に再加熱しても完全には糊化され難く、外観上もかたい。加熱を中断して室温で24時間おいたイモは、この間冷蔵庫に保存したものよりも、再加熱によって糊化し難い傾向がある。
本報の要旨は昭和44年10月、日本女子大学における日本家政学会総会において発表した。

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