抄録
1) 固ゆで卵に必要な加熱時間は, 大量の場合も少量と同様に, ゆで水が80℃に達した後, 沸騰時間を含めて12分間の加熱でよい.ただし80℃から沸騰まで12分以上の場合は, 沸騰まで加熱する必要がある.
2) 熱源のちがいによっても同様のことがいえる.
3) 80℃から沸騰までの時間は, 卵の重量または水から沸騰までの時間から算出することができる.
4) 余熱として利用できる水の有効温度は, およそ70℃以上と考えることができる.
5) 80℃以上沸騰を含めて12分間加熱したものと, 沸騰後は余熱を利用したものとでは, カードメーターにより違いが認められ, 官能テストにおいても両者の識別はできたが, 標準の固ゆで卵としての品質の差は認められなかった.