家政学雑誌
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揚げ物の品質に関与する要因について (第6報)
島田 淳子
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1974 年 25 巻 2 号 p. 120-124

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抄録
アミノ酸が揚げ油の色や匂いに及ぼす影響について検討し, 次の結果を得た.
1. アミノ酸添加により大豆油はやや黄色味をおびた.生じた匂いは一般的に生ぐさみをおび, あまり良い匂いではなかった.
2. 新鮮油に対するアミノ酸の影響はあまり大きくなかったが, 加熱油の色に対する影響は著しく大きかった.すなわち, 200℃, 5hr撹拌加熱した大豆油で, グリシン0.02%を180℃10min揚げた場合の色の変化は, 新しい油でグリシン2%を180℃30min揚げた場合の色の変化に匹敵した.
3. グリシンを油の0.02~0.5%揚げた加熱油は, その量の増加および温度の上昇に伴い著しく褐変が進み, 強い匂いとなり, 油中の2-ヘプテナールの割合が減少した.
4. アミノ酸による着色の著しい油ほど, 油中の2-ヘプテナールの減少が顕著であった.
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