家政学雑誌
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湯取り法による米飯の炒め飯について (第2報)
安田 淑子下村 道子山崎 清子
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1976 年 27 巻 2 号 p. 107-110

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抄録
湯取り法と普通炊による米飯を炒め飯にし, その性状を比較することにより, 湯取り法の検討を行った. 結果を要約すると次の通りである.
1) 米飯の炒め操作については, 湯取り法の方がはるかに炒めやすい.
2) 炒め操作中に湯取り法の米飯は水分の蒸発がより多い.
3) 炒め飯のノルマルヘキサンによって抽出される油脂は湯取り法の方が多く, 表面に付着している割合が多い.
4) 顕微鏡によって, 普通炊の米飯粒のまわりにはおねばが付着している状態が観察され, 湯取り法ではほとんどなかった. また, 炒め飯のバターの付着状態は, 湯取り法の米飯に均一に付いているのに反し, 普通炊ではむらであった. 米飯が高温の方がバターの浸透が多い.
5) テクスチュロメーターによる測定では, 湯取り法による米飯の炒め飯は付着性がみられず, 硬さが普通炊にくらべて大きく, 凝集性は小さかった.
6) 炒め飯の官能検査では, 湯取り法と普通炊による差はみられなかった.
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