家政学雑誌
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糖アルコールのエンゼルケーキへの利用
和田 淑子太田 真知子
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1976 年 27 巻 3 号 p. 167-172

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抄録

1) マルチットシラップの甘味度は, グラニュー糖100に対し, 45.5であった. すなわち調理において蔗糖のかわりにマルチットを用いる場合は, 蔗糖の2.2倍量用いるとほぼ同甘味のものが得られる.
2) マルチットを用いてエンゼルケーキを作る場合の材料配合は, 卵白100に対し小麦粉30では生地のスポンジ組織を充分膨化させることが困難であり, 小麦粉は 50すなわち卵白重量の1/2は必要である.
3) マルチットエンゼルケーキの最も良好な材料配合比は卵白100, 小麦粉50, マルチット130であり, これはグラニュー糖で最も良好な配合比をもつケーキのカロリーの46%にあたり, カロリーの低下がいちじるしい.
4) 形状, 膨化の点からマルチットのほぼ使用限界量と思われる時点で, マルチットの1/2量を同甘味のグラニュー糖でおきかえると, 形状, 膨化が良好となり, 口あたり, 食味も共に向上する. これはグラニュー糖ケーキにくらべ, ほぼ1/3のカロリー減少が可能となる.

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