家政学雑誌
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あんに関する研究 (第4報)
あんの物性について
塩田 芳之宮田 義昭
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1976 年 27 巻 3 号 p. 180-185

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抄録

1) 糖, その他添加物に影響されるが, あんは非ニュートン流体でゲル構造の強弱とあん粒子相互の衝突が物性に大きな影響を与える.
2) 煮詰ってからの練り方はあん粒子の崩壊の程度を異にし, 物性に影響を与える.
3) 煮詰め前の水量が多いあんと少ないあんを同一濃度まで煮詰めた場合, 前者が後者より固く乾燥しがたい.また, 圧縮遊離糖液量に差が見られる.
4) NMR では, あんには二つの顕著なシグナルが現われる.煮詰めによってあんの中の水の自由度は低下する.
5) でんぷんが遊離している乾燥こしあんから作ったあんは正常な乾燥こしあんから作ったあんより固い. これは遊離のでんぷんが糖液を吸収し, 流動する時の抵抗が大きくなるためと考えられる.

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